お米の賞味期限と保管方法

9月後半になり
今年の稲刈りも終盤を迎えています

ご予約いただいている皆様におきましては
もう間もなくお届けします

いよいよ秋らしい空気になってきましたから
秋の味覚として新米を楽しんでくださいね


さて
お米の予約を頂いている皆様から

「せっかくの魚沼産コシヒカリだから美味しく食べたい!気を付けることはありますか?」

というようなご質問をよくいただきます


今回はその回答となる内容としてまとめましたのでご覧ください

尚「*数字」の表記は参考ページがあるということであり
最下部に引用ページとして紹介しています
気になる方はご参照ください

お米には賞味期限があるの?

まずはおいしく食べられる期限についてです

様々な食品に設定されている賞味期限や消費期限ですが

実はお米には設定されていません*1



代わりに”精米日”の表示があるはずです

その理由は
玄米の状態では
お米を酸化から守っている果皮があるのですが
精米することによって果皮は取り除かれます*2


つまり

精米した日から米は劣化していく

ということになります*3



細かいことを言えば
普通精米では白米の表面に除去しきれなかった
糊粉層(こふんそう)という部分が残り
これが酸化することで古米臭がしたりするようです


玄米ですと糊粉層を果皮が覆っているので
糊粉層の酸化を防ぎます


また、無洗米であれば
糊粉層もほとんど残さず除去しますので普通精米よりも日持ちするようです


話を戻しましょう


おいしく食べられる期限は
精米時から
春夏:2週間~1か月
秋冬:1か月~2か月
とされています*1


これらの期限も正しい保管方法をとった場合です

では次に保管方法について見ていきましょう

お米の保管方法

お米は穀物だし長期保存が可能!

と思い込んでないでしょうか


実は私も以前までそのように思っており
雑に保管しては虫が湧いたり変色させてしまったものです


お米も生鮮食品ですので
正しい保管をする必要がありますのでご紹介します

置いてはいけない場所

私たち米農家は
お米を収穫した後は間髪入れずに乾燥させます

収穫したての籾(もみ:殻のついた状態の米)は
水分量25%程度です


これを乾燥機で半日~1日かけて
14~16%程度まで速やかに乾燥させます


そうです!

お米は乾燥していないと日持ちしないのです


ですので

ご家庭においても
湿気の多い場所は避けてください


なぜかシンク下に保管されることの多いお米ですが
密閉容器にでも入れておかない限り
保管に適した場所とは言えないでしょう*4

他にも

・直射日光の当たる場所

・臭い移りの可能性が高い場所
(灯油や洗剤類が置いてある場所など)

は避けてください

高温に注意

季節を問わず常温保存されがちなお米


実は高温になる場所も避けたいです


理由は2つ

1.高温多湿でかびる

2.ムシが繁殖する


1について
夏は暑くてじめじめするというのは
日本に住んでいれば誰もが実感していることでしょう


この環境はカビが発生しやすくなるものであり
お米も例外ではありません


上記で乾燥した場所に保管する
としたのはそのためでもあります


そして2のムシ

米びつに蛾が飛んでいる
とか

コクゾウムシがいる

なんてことがたびたび起こりますが
穀物に湧くムシにとっては20℃以上で湿度高め
という環境が快適なようです*5*6

最適な保管方法

以上のことをまとめますと

湿度が低い冷暗所で
臭い移りが気にならない場所

というのが最適な保管条件となります


もうお分かりだと思いますが

冷蔵庫ですね!


あらゆる食品を保管する冷蔵庫

お米にとっても冷蔵庫
特に野菜室が最適です


ただし
冷蔵庫に裸のまま入れるのは
お米が乾燥しすぎるのでそれもよくありません

水分が飛んでしまうと米粒が割れやすくなり(胴割れ)
炊いた時に粒が立たないべちゃべちゃなご飯になります*3

乾燥させろとかさせるなとか
なかなかわがままな奴ですね(笑)


冷蔵庫での保管時はフリーザーバッグや
臭いのないペットボトルに入れておくと良いです

フリーザーバッグ選びは下記を参考までにどうぞ↓

https://360life.shinyusha.co.jp/articles/-/17328


ただし

冷蔵庫から出して必要量を取ったら
できるだけ早く庫内に戻すようにしてください


外気温との差で結露が発生してしまい
お米が濡れるというリスクもあります

これもまたカビの発生原因になるので要注意です


ちなみに
気温が低い秋から冬にかけては無理に冷蔵庫に入れなくて良いと思います

この時も乾燥しないように
フリーザーバッグやペットボトル
もしくは密閉できる米びつを使用しましょう

米袋について

最後に
市販されているビニール袋に入ったお米について

開封しなければ日持ちする

と思われがちですが
一般的に売っているものはビニール袋であっても

小さな空気穴が開いているので
酸化およびムシの侵入防止
湿気管理などの効果はありません*7


弊社で販売しているお米は紙袋ですので
ビニールと同様で保管には不向きです

お手元に届きましたらお手数ですが正しく保管してください

まとめ

ここまで読んでいくと
なんだか面倒だなぁ

と思われる方もいるでしょう

必ずこのように保管しなければ食べられなくなる
ということではありません


あくまで長くおいしく食べるための方法です
参考にしていただければ幸いです


【参考資料】
*1 タイガー魔法瓶(株)<認定5ツ星 お米マイスターが解説!> お米には賞味期限がない?古いお米をおいしく食べる方法https://www.tiger.jp/feature/ricecooker/takitate50/20.html

*2 広島大学大学院統合生命科学研究科コラム https://www.hiroshima-u.ac.jp/ilife/research/biotechnology/tubuyaki/bt52

*3 山形県三川町 https://www.town.mikawa.yamagata.jp/smph/furusato/information/furusato_okome_hokan.html

*4 全農パールライス(株)お米の保管方法 https://www.zpr.co.jp/fun/iroha/hokan.html

*5 フマキラー(株)コクゾウムシが発生する原因とは?コクゾウムシの退治方法と予防対策 https://fumakilla.jp/foryourlife/165/ (ムシ注意)

*6 農研機構 湿度とノシメマダラメイガ https://www.naro.affrc.go.jp/org/nfri/yakudachi/gaichu/column/column_071.html (ムシ注意)

*7 いそかわ米店 https://komeno-isokawa.com/info08.html

マニアックな文献
米の匂い https://www.jstage.jst.go.jp/article/jbrewsocjapan1915/62/8/62_8_826/_pdf/-char/ja
米の貯蔵環境と米品質に関する研究 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsam1937/64/1/64_1_52/_pdf

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